購入申込書(マンション・一戸建て)の書き方
「購入申込書」を提示により住宅取得の商談、購入の流れが始まります。購入申込書の提示により契約の成立に向けて商談が開始されるわけですが、買主側の意思表示を表すツールであると同時に、売主による売却先の審査の重要な素材ともなります。申込書の主なポイントは、申込者の明示、取引対象物件の明示、スケジュールの提示、取引価格の打診、ローン条件の提示などです。
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author:春日秀典
住宅などの不動産を購入しようとするときの購入の流れのうち一番最初のスタートは、多くの場合で「購入申込書」を提示です。
目次
不動産の購入申込書とは
申込書の提示により、後日のしかるべき契約の成立に向けて商談を進めます。申込書に提示された事項は、売主による売却先の審査の重要な素材となります。申込には以下のような書式のものが不動産業者から提供されます。
書式には契約の条件の基本的なポイントを記入して提示します。書式は不動産業者によりそれぞれのものが用意されておりますが、基本的な記述事項は同じです。このページでは当社の書式に従って解説をいたします。購入申込の法律的な意義や契約との関係については、中古マンション・住宅の申込や契約、キャンセルについてという記事もあわせてご覧ください。
ロータス不動産の申し込み書式
下記の画像は当社の不動産の購入申し込みのひな形書式のリンクです。
当社経由にて仲介手数料半額・無料にてご購入のお客様は、A4にてプリントアウトいただければ実際のご購入でもお使いいただけます。
送信先:【ファックス】03-5809-1630 【メール】info(あ)lotus-asset-and-property.com((あ)を半角@にしてください)
購入申込書の書き方
それでは、当社の書式にしたがい、順を追ってご覧ください。
申込者の提示
申込書の冒頭に記入するのは購入意思の提示です。購入意思の表示には申込の日付、申込者の氏名・住所をあきらかにしたうえで、申込をする趣旨の文言が添えられます。
お名前とご住所は住民票でのご住所をご記入ください。ご本人確認のため生年月日をご記入いただいて、ご本人確認の書類の提示(場合により写しも)いただきます。まれに他社の書式では生年月日の記述がないケースも見受けますがそれでも問題はありません。
取引対象物件の明示
次に、購入の申込みをする対象(目的物)を表示します。
申込対象の明示には住所を用います。住居表示が実施されたエリアでは住居表示を利用します。販売チラシを参照する場合には「住所」「住居表示」などから確認してください。
マンションの場合には、さらに、棟名・室名を記入して、物件を特定できるように絞ります。まれに、販売チラシでは部屋番号がない場合もありますが、その場合は「○階部分△㎡」など、おおむね特定できるように記述をしてください。
不動産の特定には「地番」を用いる方法があることは、お詳しい方はご存知かもしれません。法的に厳密に進めるには地番が正しいのですが、売主等から地番の開示を受けないと分からない場合もあり、実務上では申込段階で地番を使うことはなないようです。そのため、東京圏では、地番を記入した申込書はほとんどみかけません。住居表示を実施されたエリアでは住居表示をご記入ください。
契約日の提示
契約日と時間の提示も重要なポイントです。当社が介在する契約であれば、約3時間半くらいはかかりますので、終わりの時間が気になる場合は、開始時間を逆算してください。
ちなみに、具体的な日程の提示は、明確な購入意思の特徴のひとつとして、意外と重要な意義があります。
たとえば、驚くことに、お客様の感触が良ければ、見込みで勝手に購入申込書を提示する悪質な仲介業者もいます。あるは、あわてんぼうなお客様は、ひとりでに舞い上がって勢いで申込書を書いてしまう方もいます。
具体的なスケジュールの提示があるということは、日程をあけているということですから、スケジュールの提示は安易な申込ではないことを示すのに重要で、深い意味があります。
取引価格の打診
価格の提示を行います。
購入を希望する具体的な価格を提示します。定価より下の価格を提示すれば値引き交渉となります。滅多にありませんが、定価より上の価格を提示すれば、競合と争う(オークション)ということを意味します。
手付金
あわせて手付金の額と授受の日の提示も行います。手付金の額も交渉のポイントになり得ます。手付金と頭金は正確には違います。手付金の意味については手持金0円でローンは組めるかという記事でも解説しましたが、証拠金としての意味があります。そのため、ある程度まとまったお金が提示されることが一般的です。法律的には0円でも契約はできますが、3ケタ万円から売買価格の10%の範囲が一般的です。当社では100万円~売買価格の5%前後をお勧めしています。
お金の交付と記名・押印により契約が成立しますので、手付金は大切なものです。手付金を交付する日は売買契約の当日が原則です。土日に契約をすることが多い住宅用不動産では、持参により支払うことも多くあります。
手付金は手で持ち運ぶことのリスクを考えて振込にしたい場合もあります。契約日以後の手付金の授受は、売主が応諾することがほとんどないため、業者預けにする場合もありますが、直接売主に振り込みたい場合では、日程は交渉すべきポイントになります。実務上は、契約日前なら応諾してくれることが多いようです。
決済日と渡し方の提示
決済日と引き渡し条件の提示です。決済時に行うことについては、リンク先をご覧ください。
売買契約を行うとすぐに住宅ローンの手続きに移行します。手続きのための期間が必要です。そのため売買契約からおよそ1~2カ月の期間ののち、決済を行うことが多いようです。ネット銀行でストもう少しかかりますので、決済日の設定は必要な時間も見込まなければなりません。
渡し方
渡し方とは引渡条件のことを言います。マンションですと現状有姿(げんじょうゆうし)での引き渡しが多いようですね。今ある姿のままという意味です。土地になりますと、登記簿の面積を基準にした売買(公簿売買)、土地単価を基準にして土地を測量したのちに清算する売買(実測清算)等の引渡方法が多様化します。
ローン条件の提示
ローンを利用する場合、ローンの条件についても明示します。利用しようとする銀行、融資金額、ローン特約の期日を記します。
融資の適正さも、売主様による審査ポイントとなります。実務上は、売主さんを担当する不動産業者(共同仲介であれば元付業者)が融資情報を吟味して、売主様に情報を提供してアドバイスることになるでしょう。必然的に、個人情報を侵さない範囲において、買主様の大まかなプロフィールは伝えられることになります。
利用する銀行
融資の候補となっている金融機関の名称を明示します。複数の候補がある場合にはそのまま複数を記入してもかまいません。
ローン金額
利用先の銀行から取り付ける融資金額を明示します。
ローン特約の期日
金融機関の融資を前提として不動産を購入しようとしているとき、融資を受けることができなければ、買主は不動産の購入自体ができなくなる可能性があります。そこで、不動産取引の実務においては、予定していた融資が承認されなかった場合に、買主は不動産を購入する契約を解除して、契約を白紙に戻すことができるという特約を盛り込むことがあります。こうした特約を「ローン特約」といいます。
住宅の売買の実務においては、ローン特約を契約条項に盛り込むことが一般的です。
ローンの成立を頑張って無限の時間を使っているわけにもいきませんので、期限を区切って融資承認の取得の期日を明示します。この期間は買主様はローンの成立に向けて誠意をもって行動する必要があります。
ローン特約の期間設定の時間的な相場感ですが、通常の中古戸建、マンションでは3週間~1か月、大手の低価格系のパワービルダーの新築建売なら2~3週間、地場の建売業者は、中古住宅に準じる設定が多いと思います。
その他の諸条件の提示
以上の類型に当てはまらな諸条件を最後に提示します。
上記の例では「エアコン・照明の残置」と記入していますが、これに限らず、契約条件とすべき事項を記入します。
購入申込時に気をつけたいこと
借入の有無、健康状態などには気をつけましょう