セカンドハウスの住宅ローン
セカンドハウスとは別宅のことです。たとえば、地方に住まいのある方の東京の別宅。親族を呼び寄せるための近くの家。別荘。企業経営者の地方の住まい。作家先生の仕事室などのイメージです。投資用住宅ではありません。セカンドハウスの住宅ローンでは、条件は通常の居住用の住宅ローンよりも厳しいものになっているようです。
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author:春日秀典
セカンドハウスの住宅ローンの基本的な視点
実情としてセカンドハウスの住宅ローンは金融情勢に左右される側面が多いようです。ただ基本的な骨子は通常の住宅ローンと変わりません。
金利
セカンドハウスの住宅ローンでは、条件は通常の居住用の住宅ローンよりも厳しくはありますが、条件さえ合致すれば、比較的スムーズに貸し出しには応じてくれます。ただ、ご自分で居住するための住宅のローンでみられる住宅ローンの金利よりも、セカンドハウスの住宅ローンの金利は、高くなる傾向にあるようです。
居住用の住宅ローンの金利は、変動金利ですと、0.5~1%弱ですが、セカンドハウスのローンでは割引幅は大きくなりません。実勢では住宅ローンよりも割高と提示されます。0.5%前後というのは難しいかもしれません。
ちなみにフラット35もセカンドハウス向けのローンに対応しています。本宅のフラット35の提示金利と同水準です。
購入目的
セカンドハウスローンも条件さえ合致すれば、比較的スムーズに貸し出しには応じてくれますので、多く出ているのですが、購入目的の審査は一段と厳しめです。銀行は一般の住宅ローンでは、「性善説」で審査をする意欲が感じられます。しかし、セカンドハウスの住宅ローンのおいては、「性悪説」に立っているような印象を受けます。お客様のご意向の聞き取り調査をしたうえで、そのご意向の裏付けとなるものの提出・提示を求められると思います。
その背景としては、セカンドハウスローンとして借りたものの、実際には賃貸住宅として運用しようとする人もいるからという説明をよく聞きます。セカンドハウスはあくまでも別宅ですので、セカンドハウスのローンで賃貸に出すのは契約に違反します。
投資用賃貸住宅のデフォルト率(延滞率)は、セカンドハウスローンの住宅ローンと比べるとさらに上がります。そのため、投資住宅のローン金利は、通常の住宅ローンより高い金利での契約を求められます。
また、セカンドハウスの住宅ローンは、本人以外の利用では基本的には親族に限定されます。たとえば、おめかけさん、愛妾・愛人用の住宅はセカンドハウスの住宅ローンの対象にはなりません。その手の話はよくあるとのことで、おおむね見抜いているようです。
ある程度の永続性も審査の要素に入ります。金融機関にもよりますが、学生一人暮らしの令息令嬢を入居を目的としたローンは対応しない銀行もあります。
自己資金
セカンドハウスの住宅ローンは、銀行目線でみるとリスクが高いと考えられているようです。実際、デフォルト率(貸出先からの返済が滞る率)も高いようです。借入をしようとするお客様の信用力にもよりますので一概には言えませんが、自己資金は2割程度あれば理想とのコメントは多く感じます。銀行は貸出債権の保全を担保物件中心に考えていますので、いつでも競売に出しても回収できる必要があるわけです。
ただ、フラット35では2割が必須と考えている節は少ないようです。ただ、上述の通り購入目的の必然性は重要で、説明が難しいと状況だと厳しい判断となります。
返済比率
収入に対する返済比率の計算は通常の住宅ローンと同じような計算で行います。本宅の住宅ローンが残っていると、その分はセカンドハウスの住宅ローンの貸出制限となります。また、将来本宅の住宅ローンを検討されている方は、お気をつけください。住宅ローンの借り入れの制限となります。
担保提供
銀行方針、あるいはお客様の信用力によっては、セカンドハウス部分に加え、本宅も担保提供することを求められる場合があります。