住宅ローンの年収と返済比率(へんぴ)
返済比率(へんさいひりつ・へんぴ)とはローンを借り入れる場合の年収に対する年間返済額の割合のことです。
各金融機関は各々の基準で年収に対する返済比率の上限を設定しています。借りることができる金額は年収によって決まりますし、それぞれの銀行により異なります。
年収返済比率は住宅ローンの貸出限度額や、銀行からの金利設定・提示にも影響しますので、非常に重要な指標です。
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author:春日秀典
目次
住宅ローンにおける「年収」とは?
住宅ローンにおける「年収」は、源泉徴収票や確定申告書によって確認することができます。
給与生活者の「年収」
給与生活者の年収とは源泉徴収票に記載された「支払金額」の金額のことです。「給料・ボーナス」とみていただいた差し支えありません。正社員等にかかわらず、給与生活者であれば、みなさま同じです。
具体的にいうと、下記の源泉徴収の様式の画像で、赤く囲んだ部分に記述された「支払金額」こそ、年収として認識される部分です。税・社会保険を控除した後の手取りではありませんので、ご注意ください。副収入(講演料、著作料、投資利益など)がある場合は確定申告がありますので、下記の個人事業主に準じます。
個人事業主は「所得」
個人事業主の場合、住宅ローンの世界でいう年収とは「所得」のことです。日常生活での「所得」は「収入」と混同しがちですので、ときどき「収入」を「年収」と勘違いしている人がいますが、「収入」とは違います。「所得」の部分を確認してください。
収入とは、1年間に入ってくるお金のことを指します。会社でいえば、売り上げのことで、個人事業主の場合「収入」=売上と思って構いません。
所得とは、収入から経費を引いたもので、会社でいう利益に相当する部分に該当します。これが個人として自由になるお金として、住宅ローンの世界では「年収」としてみています。
具体的にいうと、下記の確定申告様式の画像で、赤く囲んだ部分に記述された金額が、年収として認識されます。
納税証明
確定申告を行うと納税証明という証明書を取ることができます。この納税証明に所得と納税額が明示されています。
住宅ローンの事前審査では確定申告書の写しで審査をおこなうのですが、本審査においては、金融機関は納税証明を見て、個人事業主の年収を確認します。
なお、確定申告をなさっていない場合は年収の認識ができませんので、住宅ローンの利用は著しく困難です。確定申告をしていない場合には住宅ローンの借入は無理だと考えてください。
住宅ローン借り入れの基準としての返済比率
返済比率のことを不動産業者や金融機関では「返比(へんぴ)」ともいったりもします。年収に対する年間返済額(元金+利息)の割合のことです。返済比率とは、「返済負担率」ともいいます。
金融機関によって異なる返済比率
このとき、金利設定がポイントです。通常、全期間固定金利よりも、変動金利が出ることが多いので、将来の金利の上昇も検討に入れて、、総低金利を金利3%~4%として、返済比率が35~40%以内となるよう、条件設定をしています。この比率が高いと金融機関等の審査に通らない可能性があります。購入物件をより安いものに見直すか、あるいは自己資金の割合を増やして借入額を減らすかなどの対応が必要です。
返済比率の設定は各銀行によってことなります。同じお客様でも、各銀行によって、お客様信用評価が変わったり、借入可能額が変わったりするのはこのためです。
特徴的な返済比率の金融機関
フラット35:審査月の金利で返済比率を計算します。
信用金庫・労働金庫:貸出金利で計算をしてくれるため、貸出額を多く想定することができます。ただ、その他の条件はしっかりと見ていて厳しいので、審査が緩いというわけではありません。
全国保証:2~2.2%と伝わってきます。
家計診断のための返済比率
一般的な家計においては、長期的な返済面のゆとりや確実性を考えた場合、実際の返済の年収の25%以内が望ましいとされます。返済比率は、マイホームの購入に際して、無理のない資金計画を検討する上で大切な基準(目安)と言えます。
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