マンション売却の流れ・進め方と相談ポイントを知る
マンションのご売却には、ご相談からスタートして、査定⇒売却活動⇒契約⇒決済と、最後のお引渡しまで進みます。
活動のなかで最も負担が重いのは売却活動です。
売却契約のあとは抵当権抹消手続きなどの作業がありますが、不動産業者が案内をしてくれます。買主の事情も絡みますが通常の手続き関係の期間は1~2か月です。
公開日: 更新日:
author:春日秀典
目次
売却方針の確認から売却作戦の検討まで
売却の方針を固めれば、だれに依頼をして、価格設定はいくらにして、どのような売り手法を用いるかが見えてきます。この辺りがあいまいなまま進めようとして欲をかくから、納得がいかない売却になることもあります。詳しくは売却成功を左右する売却コンセプトの相談で説明しています。
売却の意向確認と売却方針の相談
査定金額を知りたくなるものですが、査定の本質は、提示した金額で売れる確率の話です。高く金額を提示すれば売れる期間は長くなりますし、安い金額を提示すれば売れる期間は早くなります。
ほんとうは、売却の方針(コンセプト固めが大切なのです。
分厚い査定書でごまかされるよりも、本当はどんな売り方とどんな金額で売るのかを考えたいものです。相談しながら売却の作戦を考えていきたいものです。当社ではそのための情報提供からスタートさせます。
売却作戦
売却作戦の大まかに、個人向けのマーケットで売り出すか、買取業者に売り出すかでわかれます。個人向けのマーケットで売り出す方が、スーモに出ている相場並みに売れますが、スピード感、条件の対応などは柔軟に対対応できません。
個人向けのマーケットに売り出す場合は、在宅のまま売り出すか、空室にするかで対応が分かれますが、空室で売り出す方が、検討者のイメージがしやすく、売りやすいとされます。
売却価格設定の判断
なるべく高く売る
なるべく高く売るのであれば、市場価格で売るしかありません。レインズなどに掲載し、ポータルサイトに掲載します。チラシなども有効です。
超高く売る
当社の話ですが、超高くうる作戦も提案できます。リノベーション住宅のような、再販物件の価格の目線で売り切ります。
厳しい条件に対処する
スピード処理、瑕疵が存在する物件(物件・心理的)、秘密の売却、契約不適合免責など、条件を厳しくするならば、価格設定を安くすることになります。
だれを選定すればいいのか
信頼できない人に依頼すれば、失敗してしまうことは間違いありません。したがって、信頼できる相手の見極めは、不動産売却の「最優先課題」です。
不動産は大きなお金が動きますから、売却の依頼先を選定するうえで、まず考慮すべきは信頼性です。売買が得意な業者に依頼するのは当然として、どのような業者や人を信頼すべきでしょうか。
信頼できる業者を見極める基準
まず、認知されなければ検討されることすらありませんので、物件情報が広がらなければ、売却はできません。囲い込みをしない業者は必須と言えると思います。
運営面からみられる不誠実の特徴も知っておくべきと言えます。たとえば、「買主がいます」というフェイクのチラシをまく業者などです。
実際のところ、不動産業は、新卒者の3年後離職率が高い業界とされています。平成24年では離職者が38%とされていました。会社の大小にかかわらず、ノルマも厳しく、環境は厳しい世界でもあります。
詳しくは、「マンション売却はどこがいい?業者の選び方」という記事で書いてありますので、ぜひご覧ください。
不動産の囲い込みに気をつけよう
囲い込みとは、売却物件をわざと売れないようにする、仲介業者の営業手法です。
「わざと売らない」とは何を言っているのか、意味が分かりづらいと思います。しかし、物件を干すことで、手数料を2倍4倍と膨らませることができます。その実情や手法を知ると、卒倒するほど怒りに震えるはずです。
ノルマに厳しい会社ほど手を染めています。それは大手でも変わりません。「頑張るので、しばらくレインズに載せないでいいですか?」などと聞かれたら、どのようなすごい営業会社、素敵な営業マンだとしても、警戒をしましょう。
大手がいいのか?
信頼できる不動産屋を見つけることができればいいのですが、近所の口コミやネットの口コミ、ランキングサイトで信頼できる不動産業者が見つからないこともあるかもしれません。その場合は、当社に売却依頼をしてくださればうれしいですが、当社をはじめ、小さな会社は名前を知られていませんので、力量をご認識いただけないかもしれません。
そのような状況だと、大手に頼むという判断をすることになるかもしれません。なお、仲介業者で大手とは不動産流通経営協会という業界団体に加入している業者で、財閥、鉄道会社、金融機関、大手建設会社の関連会社を指します。
大手の担当者が抱える物件数は多すぎるので任せきるには不安があります。会社としての販売力を生かしきるには、一般媒介のほうがいいでしょう。一般媒介とは売主さんが複数の業者に売却委託を依頼できる契約形態です。
一般媒介は1社だけなら囲い込みの温床ですが、どうにも1社だけに任せる気が起きず、かといって零細中小に任せる気にもなれないのなら、複数に出すためにはこれしかありません。
物件に近い業者がいいのかも
筆者は客付け業者として対応することもありますが、元付業者の対応を観察していると、「面倒だから対応しない」という態度が見受けられることがあります。
大手業者の中には、組織的に囲い込みを実施している企業もありますが、そうでないとされる業者も存在します。組織的ではない業者であっても、一部の担当者が囲い込みに似た対応をとることがあるのも事実です。全国規模や、地方全域(例でいうと、関東全域、関西全域)を活動範囲とする、ネットやSNS中心の集客を行っている業者も同様の傾向を見せることがあります。
この状況を深く観察すると、他社の客付け業者への対応は手間がかかる割に成果が乏しいため、絶対に確実な案件のみに対応を限定し、結果として囲い込みに近い行動を取っているようにも見えます。
このような大規模な業者では、担当者が多数の物件を抱えているため、すべての案件に対応することは現実的に難しいわけです。
明らかに冷やかしと分かるケースは別として、売主の立場からすれば「少しでも可能性があるなら対応してほしい。勝手に判断せずに取り組んでほしい」と望むのが本音でしょう。
このような閉塞的な状況を打破するには、気軽に物件に駆けつけられる「近所の業者」に頼ることが有効かもしれません。
売却委託契約と活動開始
委託契約の締結
価格と作戦が決まりますと、委託契約です。当社の場合ですと、委託契約を結びますと、売却活動の準備を開始します。準備活動では物件の調査、物件の基本資料の収集などを行います。
一般媒介という形態があることをご紹介しましたが、これに対して、一社のみに専任媒介、専属専任媒介というものがあります。専任等にもメリットがありますが、細かい解説は「一般・専任・専属のメリットやデメリット」をご覧ください。
一見資料の準備
当社の場合でいうと、他の不動産業者にも理解が行き届くよう、資料の収集をきっちり行います。他の業者でも、十分にお客様に物件説明をできるようにするためです。そのため、ご取得時のお手元の資料をいったんお預かりします。
通常の売り出しの場合には、当社のやり方は、当社以外の不動産会社と力を進めるため、当社の非公開のウェブサイトにアップします。
売却の必要書類もこの時にアドバイスをいたします。
売却活動の開始
資料の収集した資料をもとに、お客様向けの販売資料を作成します。通常は1週間以内に活動を開始します。
売却の進め方の心がまえ(空室か居住中か)
大変ではありますが、居住中でも売却を進めることは可能です。しかし、筆者の考えでは空室のほうが売りやすいとは考えています。
空室の売却の進め方
空室のほうが売りやすいと考えるのは、内見時間を伸ばすことができるからです。室内の隅から隅まで遠慮なく内見できます。何なら室内でローン相談を進めることも可能です。在室時間を伸ばせば伸ばすほど空間に対する「心理的な慣れ」が形成されます。
居住中の売却の進め方
居住中の売却は見られる方はストレスですね。家はプライベートの空間です。なので、売却の進め方には工夫が必要です。