査定よりも先に相談!売却コンセプト固め
売却活動の成功には、売却コンセプトの明確化が不可欠です。売却を開始する際、何から手をつけるべきか分からないという方も多くいらっしゃいますが、売却のコンセプトを固めておくことで、ブレのない売却活動を進めることが可能になります。
たとえば、「価格重視でゆっくり売却を進めたい」のか、「スピード重視で早く売りたい」のかによって、売却方針や価格設定が変わります。この初期段階で明確なコンセプトが固まっていないと、査定の時点で高額に惑わされてしまったり、実現が難しい価格での売却を期待してしまうことがあります。
売却活動を成功に導くためには、売却動機や理想の売却期間、さらには希望価格などを具体的に言語化し、目的に沿った計画を立てることがとても重要です。
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author:春日秀典
目次
売却のご意向の確認
いざ!売却を進めたいと思う時、スタート段階では、「何かが考えればいいかということから、まったくわからない」という状態のはずです。
全てのプロセスは、売却の相談からスタートです。マンションの売却の相談をしながら、しっかりしたコンセプトを提案できる業者さんを見極めましょう。ブレのない売却活動を進めていくことができます。
売却作戦で売り方と価格が変化する
不動産の売却活動に偶然はあっても、それを期待してラッキーパンチを夢見てはいけません。売却のご事情と物件の事情によって、売却活動の方針が変わります。
売却活動の方針によって売値が決まり、売却の予想期間が導き出せます。あまりにも夢を見させる業者と夢を見ている売主が多すぎますね。
売り方のシナリオによって、売れる時間と価格がかわる。満足度が変わる。
希望のイメージを言語化しよう
まずは、ご売却のご動機、ご売却の完了時期、ご希望価格などを、ざっくばらんにお聞かせください。売却に必要な思考の整理のお手伝いをします。
まずは、売りたい時間軸と補足事項として、業者に対する注文・備考を明確にしてください。当方に言っておきたいことは、なんでも構いません。お聞きしたいことは、ご遠慮なくお聞きください。
- よくある売却方針のイメージ
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- 「時間に余裕があるので高く売りたい」
- 「買い替えがあるのでできるだけ早く売りたい」
- 「物件的に条件が厳しいと思うが可能な限り早く売りたい」
- 「マンションレビューで出ているのでこの価格で売れるはずだ。」
- 「多くの人にじろじろ見てほしくない」
当社としてはまずをしたいのは、ご売却のご動機を確認したいと思っています。おそらく、どの不動産屋さんも同じだと思います。
このプロセスはメール、ライン、オンラインミーティング、電話など対応できます。お問い合わせからのメール返信でも構いません。LINE@友達登録も可能です。
対象の物件は初動では明確でなくても構いません。このやり取りのなかで、お聞かせいただけると思います。次のステップまで、対象物件の下調べができます。
単なる査定は悲劇の始まり
売却をボヤっとイメージし始めたころは、とりあえず金額を聞いてくる方も多いです。信頼できる業者かどうかわからないまま売却の相談をするわけですし、金額は最大の関心事項だと思いますので、売れる価格を知りたいというお気持ちはわかります。
ただ、先述のように、売却の作戦によって売り方は変わり、売り方が変わることで、価格も変わります。ただ漫然と査定を求める行為は厳に慎むことをおすすめしたいです。
売却の方針が明示されていなければ、業者は「委任が取れるためにカスタマイズされた、考えうる最大価格を少し超えた価格」か「アラムダのリスクを排除した、考えうる最小価格」で提示します。
前者は売れないことにより、値下げを栗消す羽目になり、不満足を招きます。後者は悲劇的で、経済的な損失w招きます。
レインズを見ると「今日も馬○(ウマシカ)な値付けの物件があるな」と思うことが多いです。表に出てるだけでもそうですから、表に出ていない案件も考えると、皆さんが考えているより、この悲劇は多いと思います。
資金面の検証
住宅ローンの返済中でも売却は可能です。しかし売却の作戦に一定の制約を与えます。住宅ローンがある場合は、住宅ローンの抵当権を消す必要があります。そのためには残債額(残りのローンの額)を知ることは非常に重要です。
残債の確認
残債額は半年に1回にはレポートが来ると思いますが、不明な場合には金融機関にお問い合わせください。残債の確認は売却活動のため不動産屋を回る以前にすることがいいでしょう。一般に、ローンが残っているマンションは、借入金が完全に返済されるまで売却できません。ローンがある場合は、販売価格で返済できますが、未払いのローン金額が不明では、間違った計画を立ててしまいます。すべての売却金を返済に使ってしまって、引っ越しの計画などが十分にできなくなることもあります。
売却作戦の検討
高い査定金額が書いてあれば、鵜呑みにしたくなるものです。嘘は美しい装飾で塗り固められているように、査定の分厚さでごまかそうとしているです。
本当は、「どんな売り方で、金額で売るのか?」にも、耳を傾ける必要があります。
戦略にも耳を傾けて
査定を依頼すれば、ものすごい分厚い査定書をもらえることがあります。本当は伝えたいことはシンプルなのですが、査定でわかりづらい分厚い書類がでてきたら、かえって要注意です。
最近は有名になりましたが、いつも投函されている「買主の存在をアピールするチラシ」だって、100%ダミーです。検討資料や写真を提供しないのにボランティアで高値で買ってくれる人なんて、理屈で考えればいないのですから、なんとなく高額で売れるということはないわけですよね。
当社は査定ありきではありません。相談しながら売却の作戦を考えていきます。売却の作戦に即した価格設定を共に考えていきます。作戦はいくつかのパターンがありますが、メリット、デメリットを理解して、最適な作戦を選ぶことが重要です。
室内の状態を確認しながら相談
このときは、物件現地・室内にお伺いをさせていただいて、室内を拝見させていただいた方が望ましいです。不動産の売却は、作戦により、販売活動の苦労の度合いが異なります。活動の苦労度は、物件の状態を無視することはできません。キレイ度によって売値も変わるはずです。この辺りは経験が生きてくると思います。
ちなみに、当社のポイントは、手数料額が、苦労の度合い対応して提案していることです。最大手数料無料で対応しています。
売却方針の検討
売却方針は次の2点でどちらを重視するかにより、ご提案の作戦が変化します。不動産屋として、当社も高額売却の可能性の追求を個足りません。ただ、偶然の要素を頼らなければ、売却のスピードは金額はバランスにより決まります。
不動産売却の期間は3か月前後での売却が望ましいとされます。3か月以上の期間設定を容認するのであれば、金額の高さを追求してもよいでしょう。
- 負担の軽さとスピード感を重視するか
- 売却価格を重視するか
買い替えと優先順位
買い替えには、買い先行と売り先行の2種類があります。買い先行とは、新しい家をまず購入し、その後ゆっくりと物件を売りに出すことです。売り先行とは、先に売りだして売却価格を固めてから、新しい家の購入契約をします。十分な資金力がある場合には、先に購入することで、販売戦略にも余地を残すことが可能です。売り先行は、資金調達計画を確実にすることができる点で魅力的ですが、売却期間の見通しは立ちませんから、買い活動の時間は制限されるというデメリットもあります。
買換えの場合は、売り先行か買い先行かも重要な検討要素です。資金に余裕がなく下取りにも出しずらい場合は、売り先行が必須です。ただし、購入物件の検討に、時間的な余裕がありません。資金に余裕(ローン枠に余裕)がある、買い先行も選択肢になるでしょう。
これは、高く売るか早く売るかの応用です。方針は、お客様が置かれた状況により変わります。
売却価格の判断
売却作戦は売却価格の判断とリンクします。実際には、上記の現地の相談のときに、過去の売り出し価格の情報提供し、見ながら判断とアドバイスをしていただくことにはずです。
依頼した過去の査定があれば、それも参考にできます。ただし、一括査定の金額は参考になりませんので、ご容赦ください。
高額売却を重視する
高くるためには時間が必要です。奥の方の目に触れさせることで、アピールする対象を増やすためです。お時間に余裕がある場合には、一般個人への売却がおススメです。一般個人向けの売却のメリットは一般的に買取よりも高額な売却が見込めることです。
当社の場合は若干の手数料を割引で対応します。
高く売ることでデメリットはありません。ただ多数の来場を要し、売却までに時間がかかること、仲介手数料があること、契約不適合責任のリスクがあることなどが挙げられます。
スピード感を重視する
時間に余裕がない場合など、とくに1か月以内の超短期での売却を希望する場合には、買取業者への売却をお勧めします。当社へのご依頼なら仲介手数料無料の売却をおすすめします。準備を良く進めるならば、売却まで、ご相談翌日でもお話は可能です。< 一般個人売却の流れと、業者の買取の流れで変わる部分は販売活動の部分です。買取業者への売却はターゲットが決まっている分、すぐ内見者が集まります。一般個人の売却は、集客を行う時間の分、時間はかかります。
買取業者は物件の買取を行い、リフォームは建設を行って再販売をする業者です。中古車の下取りに似ています。業者への売却メリットは確定が早く、見学対応の負荷は少ないことです。一方で、下取前提のお取引ですから、価格は個人へ売るよりも安くなることがあります。
なお、当社の場合であれば売却時の手数料無料です。不動産業者へ声をかける方法もありますが、直接声を掛けますと、売り先の選択肢が狭くなり、強い価格を出せる買主をセレクトできないことがあります。
買取業者に売却するときの流れにおいて、一連の流れを解説しています。
柔軟な条件に対応してもらいたい
売却活動を秘密にしたい、瑕疵(かし)担保責任に問われたくないなど、条件の柔軟性を重視する場合にも、買取の選択は有効です。
悪意のある査定を見極めよう
当社の場合は、売却の価格の相談は、事例をみて、売却意図を拝聴し、売却方法とリンクさせて考えます。相談しながら判断していくので、悪意が入る込む余地はありません。しかし、しばしば査定に悪意を込めるタイプの業者がいます。
不動産の価格には3つの概念があります。すなわち「売出価格」「相場価格」「成約価格」です。基本的には査定は相場価格をもとに行います。本来、不動産業者が査定をするには、過去の物件の販売事例を見ています。同じ根拠を用いる以上、本来、価格査定に大きな差は出るはずはありません。
なぜ差が出るかと言えば、そこの「意図的な狙い」があるからです。突出して高い査定には悪意があるかもしれません。現実の場面では、大手も含め、嘘をついて高額査定を出して、売主を誘い込むように委任を受けることを優先するタイプの営業マンや営業所も存在します。
一括査定などを活用すると、特にその傾向が出ます。突出して安い査定、突出して高い査定は除外するなどの判断をしなければなりません。
残債がある中での売却ならば、将来設計にも重大な影響を及ぼします。信頼できる不動産屋ならば、一括査定の結果をにらみながら、相談して進めるのもよいでしょう。
売却委託契約の締結と売却の準備
提示申し上げた「売却プラン」「査定価格」等にご納得いただけましたら、ご売却をご依頼ください。当社とお客様で委任契約をご締結いただきます。委任契約は当社が活動を行う根拠です。「媒介契約」といいます。
媒介契約を締結した時点では、費用は発生しません。
売却委託の形態
媒介契約の形態には3つのパターンがあります。「一般媒介」「専任媒介」「専属専任媒介」です。それぞれの形態により、不動産業者の責任の重さが違います。これに加えて、「代理」という形態もあります。各媒介委託の形態のメリットデメリットはリンク先でご確認をお願いします。
一般媒介は、売主が、同時に複数の業者に依頼できる形態です。ただし、業者側には営業活動を報告する義務はありあません。レインズに掲載する義務はありません。
専任媒介は1社限定で依頼する方式です。ただし、売主は、自らの努力で買主を見つけて契約できます。
専属責任媒介は1社限定で依頼する方式なのは「専任媒介」と同じですが、売主は、自ら買主を見つけて契約できません。
代理とは民法で規定する代理です。一定の与えられた権限の範囲内で、みずから判断を行いって業務を進めることができます。「代理の報酬は1社の業者が受領できる手数料は媒介の二倍以内とすべし」との記述があります。このため、6%とする報酬設定も可能です。
買取保証付き売却はどう?
「買取保証」とは、期間内に売却できないとき、保証した金額で不動産会社が買取るサービスなのですが、筆者自身は、買取保証のシステムは、あまり良い目では見ていません。デメリットも大きいからです。
期限内に収まるのがメリットなのですが、売却価格を機械的に下げていくこと、囲い込みをされるリスクが高くなるからです。