住宅ローン控除が利用できる物件の見分け方

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昭和57年1月以降の建物は新耐震としてみなされ利用可能です。それ以上の築年数の中古住宅の場合、耐震性能があり証明できることが必要です。

面積は登記簿で50m2以上であること。

借入期間は10年以上、購入した人が居住する家で、年収は合計所得金額が2,000万円以下であること。

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住宅ローン控除とその基本的な要件

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、支払っている税金の額に応じて、12月末日時点での融資金の残高の0.7%相当の資金が支払済みの税金から返還もしくは引き算されるというものです。税額控除という強力な制度のため、変動金利が0.5%前後という低金利の今では、逆ザヤともいえる、すごい制度です。

住宅ローン控除の初年度はどなたも確定申告が必要です。2年目以降は会社員などの方で、勤務先の年末調整がある勤務先の場合は、年末調整で受けることができます。確定申告をしている方は、2年目以降も確定申告を要します。

住宅ローン控除は持ち家政策、住宅政策の一環として非常に浸透しているものですが、政策的な要請により、どんな物件でも使えるわけではなく、いくつかの要件があります。主な要件は以下の通りです。

自己居住

自己の居住であることは、住民票により確認します。「住宅の引渡し(購入時)」や「工事の完了(リフォーム時)」から6ヶ月以内に、減税を受けようとする物件に、減税を受けようとされる方が住まう必要があります。このことから、投資用マンションや別荘などは適用対象外となります。

床面積が50m2以上であること

床面積とは登記簿面積のことを指します。マンションの場合、不動産広告や販売物件の資料に出ているのは壁芯面積であり、登記簿面積とは異なりますので注意が必要です。一戸建ての場合は壁芯面積と登記簿面積は一致しています。

壁芯とは、壁の内側の芯で測定した面積なのですが、マンションの場合では、壁の内側で測った面積を登記簿面積として登録されます。壁芯面積は、壁の肉厚も拾っているので、登記簿面積と比較すると、3㎡ほどの違いが生じます。

不動産広告上の面積が、だいたい53.5㎡以上であれば、登記絵面積は50㎡を超えてくることが多いのですが、経験では、54㎡あっても登記簿面積では49㎡台のこともありました。50㎡代前半の建物の場合は、不動産・建築の営業マンにしっかり確認しましょう。

所定の築年以内もしくは耐震性能の確認

所定の築年とは、1982年以降の建物ということです。以前は租税特別措置法という法律で、木造では築20年以内、耐火構造なら築25以内と立法当初にこういう記述にしていましがが、今は改正されました。

この築年数以内であれば、登記簿により確認できますので、築年数を証明する資料は必要ありません。築年数は取得した日が基準になります。取得した日とは登記簿に記載する所有権の移転の日です。

複数の記事(こたつ系のウェブサイト)で、「築年条件が撤廃された」との情報を見ましたが、厳密には誤りですので気を付けてください。

耐震基準適合証明等

所定の築年数を超える建物については、耐震性能を証明できればローン控除が利用できます。耐震性能を証明する証明書を「耐震基準適合証明」といいます。「耐震基準適合証明」の取得費用は3~5万円くらいです。

新耐震の建物であれば、よほどの大改造をしていなければ、事実上、耐震基準適合証明は安価な費用で発行できますので、楽に証明できますので、かなりのお得です。新耐震とは昭和56年6月以降の着工物件ですが、販売資料には着工時期は出てこないので、昭和58年以降であれば、ほぼ確実です。

一方、旧耐震の建物は耐震性の証明にハードルがあります。旧耐震の建物は耐震性が不明であるため、「耐震診断」をしないと、耐震性の有無を判断できません。一戸建ての場合は大きな費用はかからないのですが、マンションとなると、数百万~数千万のコストがかかりますので、耐震診断のないマンションは適用は難しくなります。

ただ、住宅ローン控除が使えるということは強いメリットとなります。旧耐震の場合は、不動産広告には必ず「住宅ローン控除利用可」「耐震基準適合証明取得可」「新耐震基準適合」などの記述があると思います。

なお、「瑕疵保証保険付保証明」「既存住宅性能評価書の耐震等級1以上」は、耐震記事運適合証明の代わりになります。

その他や年収の要件

ローン控除を受ける年については、合計所得金額が、2,000万円以下でなければなりません。会社員などの場合は給料の総額を指します。自営業などの場合は、課税対象の所得を指します。

資金の借入先は、銀行、フラット35、URなどのほか、一定の条件の場合の社内融資も該当します。親子・知人などの借入は適用されません。

借入期間は10年以上でなければなりません。

購入元が親族の場合、売主の親族が、対象物件に引き続き同居する場合は適用されません。

居住に適用される物件だけですが、店舗併用などの場合は建物全体の面積が適用されます。

マンションの共用部は含まれません。

令和4年の住宅ローン控除改正

令和3年の改正のポイント

住宅ローン減税が適用される物件の対象を拡大されます。主要な改正では、地価上昇にともない建物面積が狭くなっている傾向を踏まえ、現在の床面積の制限を40㎡以上にします。ただ、新たに対象となる40~50㎡未満の物件は所得制限が厳しくあり、具体的にはこれらの物件には世帯で1000万円以下となります。おそらく、投機的な購入を助長しないためでしょう。

通常の住宅ローン減税+3年の特例措置について、入居期限を令和4年の12月末まで延長します。ただ、注文住宅は令和3年9月、分譲住宅は令和3年11月までに売買契約する必要があります。

低金利を踏まえ、借入残高の1%という控除額が適正なのかということが政府や政治家の間では論点となっています。そのため控除の在り方を2022年度に見直す方針を明記しました。年末時点のローン残高の1%か、その年に支払った利息の総額の少ないほうとするなどの議論が出ています。

制度の変わり目の年度の正式決定

ローン控除制度は住宅政策、景気促進政策の根本と言えるもので、制度の変わり目の都市が近づくと、毎回のように制度の概要を政府などで揉んでおり、我々住宅を扱い不動産業界では、重要な関心事項になります。

制度変更の場合、正式決定は国会で正式決定を待つ必要がありますが、住宅ローン控除の正式決定は租税特別措置法の改正によって行われます。正式には4月1日から施行せれます。例年の国会では3月下旬ころの国会で決まりますが、バタバタとした感じで可決されることがほとんどです。

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この記事の作者

2010年から(株)ロータス不動産代表。ヤマト住建(株)等OB。宅地建物取引士、公認不動産コンサルティングマスター他。早稲田大(法)95年卒。在学中は早大英語会に所属。

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